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東京高等裁判所 昭和57年(行コ)233号 判決

横浜市港北区太尾町六四四の五一

控訴人

高野勝征

右訴訟代理人弁護士

服部正敬

横浜市神奈川区栄町八の六

被控訴人

神奈川税務署長

桜井已津男

右指定代理人

布村重成

重野良二

鈴木司郎

吉岡旻

長谷川貢一

右当事者間の贈与税決定処分取消請求控訴事件につき、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

一  控訴代理人は「1 原判決を取消す。2 被控訴人が昭和五三年一一月二七日付で控訴人に対してした昭和五一年分贈与税決定処分(ただし、昭和五四年三月二九日付異議決定及び昭和五五年六月二三日付裁決により取消された部分を除く。)及び加算税の賦課決定処分(ただし、昭和五四年三月二九日付異議決定及び昭和五五年六月二三日付裁決により取消された部分を除く)を取消す。3 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人指定代理人は「本件控訴を棄却する。」との判決を求めた。

二  当事者双方の主張及び証拠は、控訴代理人が甲第九号証を提出し、被控訴人指定代理人が同号証の成立は知らないと述べたほかは、原判決事実摘示と同一であるから、これを引用する(ただし、原判決八枚目裏六行目「同表〈8〉欄」を「同表7欄」と決め同一六枚目裏三行目「第八号証」の次に「(第五、六号証は写し)」を加える。)

理由

一  当裁判所は控訴人の本訴請求を失当であると判断する。その理由は、次のとおり付加するほかは、原判決の理由と同一であるからその記載を引用する。

弁論の全趣旨により成立を認める甲第九号証によれば、不動産鑑定士石井敬二は昭和五七年一二月二七日付で本件土地の昭和五一年一月一〇日現在の時価を、第一物件につき一平方メートル当り三万二〇〇〇円、第二物件につき同一万七五〇〇円と鑑定していることが認められるが、右鑑定結果は、本件土地の固定資産税評価額(前掲)及び成立に争いのない乙第六、七号証、第九号証の一、弁論の全趣旨により成立を認める同第一〇号証の一、二、第一一号証の一に照らしにわかに採用することができない。そして、右各証拠によれば、本件土地の昭和五一年一月一〇日現在における市場価格は、控訴人が訴外東三平、同高野泰佑から買受けた価格の二倍を優に超えをものであったことが認められる。

二  よつて、原判決は相当であって、本件控訴は理由がないからこれを棄却し、控訴費用の負担につき民事訴訟法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 川添萬夫 裁判官 鎌田泰輝 裁判官 相良甲子彦)

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